第6回:相続対策にもなる?! 生前贈与ってどうするの?

2015/07/22更新 相続 遺産分割 櫻井さん

相続にまつわる問題や対策について考えてきた本連載。最終回となる今回は「生前贈与」がテーマです。相続税とセットで改正が行われた贈与税の改正内容と、生前に贈与することのメリットと注意点について、櫻井幹士(サクライ モトオ)さんに伺います。

Question

相談者アイコン 父と母から、私の子どもたちに生前贈与という形で財産を残してあげたい、という申し出をもらいました。孫を思う気持ちはとてもありがたいのですが、「生前贈与には税金がかかるのでは?」と心配です。こうした場合、なにか手続きが必要なのでしょうか。

 

Answer

「贈与の事実」があとからきちんとわかるように契約書をつくっておきましょう! また、贈与された財産は生命保険を活用して一生ものの財産にすることもできますよ。

生前贈与の「暦年課税制度」を理解しましょう

 生前贈与には、贈与税という税金が課せられます。相続税と同じく、贈与税も今年の1月1日より改正され、税率が変更されました。 相続税は改正によって事実上の増税になりましたが、その一方で贈与税は一部、税率が引き下げられました。そのため、相続税対策としても、生前贈与が注目を集めているのです。

 生前贈与を活用すれば、財産を残す人、つまりご質問者の方のご両親のようにご自身の意思で財産を分配することができます。また、贈与することで自分の財産は減っていくため、その分、相続税も安くなります。ただし、贈与税の仕組みをきちんと理解しておかないと、思わぬ落とし穴もあるので、生前贈与と贈与税の基本のキをチェックしていきましょう。

 いちばんに確認したいのは、贈与税の「暦年課税制度」という仕組み。これは、1年間に贈与された金額に対して税金を計算して支払う、という制度です。

 なお、贈与した人を贈与者、もらった人を受贈者といいます。

暦年課税制度を使えば、毎年110万円の基礎控除が適用されます

 この制度には、受贈者1人につき年間110万円の基礎控除があり、それを超えた分に対して税金が課せられます。ここで気を付けていただきたいのは、複数の方から贈与を受けた場合、その合計金額に対して年間110万円までが基礎控除枠だということです。

 このことを踏まえたうえで、子どもや孫が受けとる金額を毎年110万円以内にして贈与をしていけば、贈与税がかかることなく財産を子どもや孫に移していくことができる、というわけです。また、将来高額な相続税がかかることが予想される場合は、基礎控除額を超えて多目に贈与していくことで(贈与税がかかったとしても)、相続税を軽減できる場合もあります。

 ここでポイントになるのが、暦年課税の仕組みを活用するためには、「いつ、どういう形で贈与をしたのか(されたのか)」を記録に残しておく必要がある、ということです。手渡しなどで記録がないと、どの年にいくらの贈与を受けていた、という証拠があいまいになり、税務署から「一括で受け取った」と判断されてしまう可能性もあります。そうなると、贈与された総額に対して一度に税金が課せられてしまい、受贈者は多額の税金を支払うことにもなりかねません。

 では、贈与の事実を明確にするためには、どんな方法があるのでしょうか? ここは、専門家の間でも意見がわかれるところなので、次から説明することは、一般的なポイントとして参考にしてみてください。

 まず、贈与は、現金を手渡しするのではなく、贈与を受ける人の預金口座(受贈者自身が通帳・印鑑を管理している口座)に振り込むこと。そして、通帳に記録を残すとともに、毎年、贈与者と受贈者の間で贈与契約書をつくって、保存しておきましょう。

 また、あわせて毎年110万円を超える額を贈与し、もらった人が贈与税を申告する、という方法があります。たとえば、子どもや孫が1年で210万円を贈与された場合、基礎控除額の110万円を引いた100万円に対して10%の税率がかかり、子どもや孫の納める贈与税額は10万円となります。

贈与税額は、このように計算します!

生命保険を活用して、生前贈与を「一生ものの財産」へ

 子どもや孫へ生前贈与する場合、贈与は贈与としてキチンと行っていったとしても、多くの方が心配されるのは「自由に使える大金を渡す」ことで、子どもや孫の生活を壊すことにならないか、ということ。

 贈与したお金は大事にとっておいて、本当に必要な時に役立ててほしいというのが贈る側の気持ちですが、一方で、ムダづかいや浪費癖のもとになるんじゃないか、大きくなったときに労働意欲を削ぐことになるのでは、と心配はつきないものです。

祖父母から孫へ、保険料相当額の現金贈与をした場合

 そこで活用できるのが生命保険です。生前贈与された子どもや孫が、そのお金で自分名義の生命保険の契約をするのです。そうすると、贈与されたお金は保険料となるため日常的に使えるお金ではなくなり、ムダづかいなどの心配はなくなります。

 また、生命保険は子どもや孫のいざという時に役立ち守ってくれる「一生ものの財産」とも言えますので、贈る側も贈られる側も安心を手にすることができる方法だと思います。生前贈与資金で生命保険を活用する場合のポイントについては、ぜひ、当社ジブラルタ生命のライフプラン・コンサルタントにご確認・ご相談ください。

 生前贈与の仕組み、注意ポイントをきちんと理解して、賢く活用していけるといいですね。

【プロフィール】
櫻井 幹士(サクライ モトオ)
櫻井さん

ジブラルタ生命認定チーフインストラクター
金融知力普及協会認定インストラクター
日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー

1963年 静岡県静岡市生まれ
家族構成:妻、長男、次男、三男(大学3年)
趣味、特技:邦楽(和楽器)
好きな言葉:「備えよ、常に」

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