【防災の日特別編:第1回】防災のプロが語る、防災グッズを選ぶ前に知っておきたいこと

2015/08/26更新 防災の日特別篇1

9/1(火)は防災の日。東日本大震災を経験してから、防災のことをより真剣に考える人が増えたのではないでしょうか。 そこで、防災の日特別編として、防災アドバイザー山村武彦先生による全3回の連載を掲載します。 山村先生は『みんなの防災事典』『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている』の著者であり、テレビや雑誌でもおなじみの方です。 第1回目の今回は、「防災グッズを選ぶ前に知っておきたいこと」について語っていただきました!

おすすめ防災グッズは信じるな! 家族構成に合わせて、自分で考えるのが大事

 防災の日が近づくと、何を備蓄したらいいのか、どんな防災対策をすればいいのかなどの取材が相次ぎます。個人的におすすめしているグッズはありますが、残念ながらどの家庭にもすべてが当てはまるおすすめグッズはありません。
 どんな家に住んでいるのか、どんな家族構成なのか、育ち盛りの子どもがいるのか、その子どもにアレルギーはあるのか……。そういったことが、「災害時に生き延びる備え」を考えるうえでは欠かせないからです。

 それよりも、もっと自分で考える習慣をつけてください。ヒントとなる情報は、探せば見つかります。
 災害時に何が必要かを自分の生活や嗜好に合わせて考える。海外旅行やキャンプに行くのと同じです。どんな1日になるのか。それを想像し、計画し、持ち物を決めますよね? 行き先によって気候も違うでしょう。昨年の夏に行った場所でも冬に行く場合は、同じ荷物を持っていかないはずです。

防災用品を準備する家族 災害時に何が必要か、自分の生活や嗜好に合わせて考えてみよう。

1年に1度ではなく、四季ごとに見直す。必要なものは、季節によって違う

 防災グッズも同じです。防災の日にグッズや備蓄を見直すだけではなく、できれば四季に応じて、入れ替えるといいでしょう。肌寒くなったら、カイロが必要ですし、夏は日焼け止めや虫除けもいるかもしれません。そういった想像力を鍛えることが、防災意識を高めることにつながります。
 非常袋も皆が皆、銀色のバックではなくてもいいんです。玄関付近に置いておいても恥ずかしくないデイバックでもいいですし、お年寄りの方は持ち運びやすいキャスター付きのほうがいい。車をお持ちの方は、トランクの中に防災グッズを備えておくこともできます。都心にお住まいの人は、田舎の親戚宅に備蓄を預けておけるのであれば、必要な備蓄も違ってくるでしょう。

月に1度、非常食デイを作ろう

 わが家では、月に1度「非常食デイ」を作り、朝・昼・晩のご飯を、電気・ガス・水道を使わず準備するようにしています。というのは、災害時は避難所生活をする人よりも、自宅に戻って暮らす人が大半で、学校などの避難所の入所者は家が壊れた人や身体が不自由な人が優先だからです。

 電気、ガス、水道を使わず丸1日過ごしてみると、これが1週間続くとどのくらい不自由かイメージできます。余震が1時間に5回〜10回も続くなかで、3食準備するのは難しいでしょう。炭水化物に偏りがちになったり、濃い味ばかり続いたり……。同じような食事ばかりだと、食欲もなくなってくるかもしれません。

 災害時では3日目以降に、口内炎、便秘、持病の悪化、不眠、発熱を訴える人が避難所で多くなるのですが、これは避難所で配られる食料が炭水化物などに偏ってしまうことも原因の1つなのです。ですので、長期化する災害に備えるには、できれば3食とも平常時でも美味しいと思えて、栄養バランスが整っているものを選んでおくといいですね。
 ちなみに、わが家の非常食デイの一例は以下のとおり。タンパク質と繊維質を意識して摂るようにしています。

非常食



朝:ビスケット+煮豆の缶詰
昼:カップラーメン+野菜ジュース+五目煮や筑前煮の缶詰
夜:レトルトカレー(具だくさんで、温めなくても美味しいものがよい)

 食事で補う以外に、普段から疲れが口内炎や便秘等に出やすいのが分かっているのであれば、常備薬も忘れずに用意しておきましょう。お気に入りの総合ビタミン剤も常備しておくといいですね。


9月は、防災企画を連載中! こちらもあわせてご覧ください。

~防災のココロエ~地震に備える10のこと~ 第1回:防災リュックの中身は? 何を詰めればよいか知ってる?

プロフィール

山村 武彦(やまむら・たけひこ)
山村武彦様

防災・危機管理アドバイザー、防災システム研究所所長。 1943年生まれ。1964年、新潟地震でのボランティア活動をきっかけに、防災システム研究所を設立。以来、「現場主義」を掲げ、地震や津波などの自然災害、事件・事故など250か所以上の現地調査を行う。阪神・淡路大震災(1995年)発生時には2時間後に現地入りし、救助活動、調査活動を行う。近年も東日本大震災、オクラホマ竜巻災害、フィリピン台風30号災害、ネパール地震などの現地調査を実施し、写真レポートをサイトにアップしている。実践的防災・危機管理の第一人者と言われている。現在、執筆、講演活動、マスコミ出演等を通じ、防災・危機管理意識啓発に活躍中。
http://www.bo-sai.co.jp/index.html

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